お酒のお供に一番好きな魚、鯖について話したい
すでにタイトルで今日のブログの内容をすべて語っているかもしれませんが。
私は鯖が好きです。
米を普段摂取しない私にとって、鯖はもっぱらお酒のつまみですが、もちろん鯖はご飯のおかずとしても非常に合います。
さらに焼いた鯖を野菜と共にパンに挟んだ「サバサンド」というトルコの名物もあります。
お酒にもご飯にもパンにも合う万能食材、それが鯖なのです。
しかも焼いて良し、煮て良し、生で良しと、食べ方もまさに自由自在。
鯖を不味く食べる方が難しいのではないか、と思わせるほど、鯖はキン肉マンで言うところの「完璧超人」的な存在だ、と言えましょう。
人ではなく魚ですので、「完璧超魚」ですかね。
しかし、そんな鯖にも弱点があります。
それは「足が早い」という点。
鯖や鰯などの青魚は、その体内に強力な消化酵素を持っています。
そのため、死ぬとその強力な消化酵素が働き始め、すぐに腐り始めてしまうのです。
鯖を刺身ではなく「しめ鯖」にするのは、塩や酢に漬けることによって腐敗を食い止める効果があるためです。
しかし、それも今では昔の話。
流通の技術が発達した現在では、海がない場所でも新鮮な鯖を手に入れることができるようになりました。
おかげで、居酒屋のメニューにも「しめ鯖」だけでなく、「生鯖の刺身」が並ぶようになっています。
私も鯖の刺身を食べたことはありますが、やっぱりしめ鯖の方が好きですかね。
しかも、軽くしめたものではなく、身が白くなるくらいしっかりしめた鯖が好みです。
これは、山の中に住んでいた子供の頃、父親のおつまみであるしっかりしめたしめ鯖をご相伴に預かっていたことが原因でしょう。
子供の頃に食べた味というものは、その懐かしさも調味料となるため、なかなか好みは変わらないものなのかもしれません。
しかししめ鯖以上に好きな鯖の食べ方があります。
シンプルに塩だけで焼いた「鯖の塩焼き」、そして「鯖味噌煮」です。
私はお酒と言えばもっぱら黒ホッピー派です。
そして、黒ホッピーには刺身よりも火を通した鯖の方が確実に合います。
黒ホッピーはどちらかと言うと、あっさりとした飲みやすいお酒です。
そのため、火を通して少し濃いめに味付けした料理の方が合う、という簡単な理屈です。
刺身を食べる時には、日本酒にチェンジした方が美味しく食べられるでしょう。
何よりも、皿に綺麗に並べられた刺身をつまむ時には、ジョッキよりのお銚子とお猪口を手にしていた方が粋な感じがして雰囲気が出ます。
お酒とおつまみは、単純に味を楽しむだけではなく、その雰囲気も楽しむことが重要です。
お酒に酔い、雰囲気にも酔い、楽しい時間を過ごすこと、それが綺麗な酒飲みの流儀でありましょう。
と、ここまで長々と鯖について書いてきましたが、塩焼き、味噌煮以上に、私の一番好きな鯖をご紹介しましょう。
それは「鯖の文化干し」であります。
毎回鯖の文化干しがおつまみでも構わない、と言い切れるレベルですが、さすがに毎回注文はしません。
好きなものだからと言って毎回食べていては、いつの日か飽きてしまうという危険性があります。
せっかくの大好物なのに、食べ過ぎて飽きてしまっては本末転倒、自分の楽しみを自分から放棄してしまうような愚かしい行為であります。
ですから私は、ちょっと良いことがあった時や、今日は絶対に「鯖文」(私の勝手な略語)を食べる!と決意した日にしか食べません。
15センチ、大きければ20センチ近いような鯖の半身が、じっくりと皮まで焼かれ、ジュージューと音を立てて皿の上に乗って運ばれてくる姿……。
箸で熱々の身をつまみ、口に入れて噛みしめると口内いっぱいに溢れる焼鯖の脂と旨味……。
鯖を飲み込み、黒ホッピーで口の中をさっぱりさせ、再び鯖の身を噛みしめる。
鯖、ホッピー、鯖、ホッピー、鯖、ホッピーの永久運動の完成です。
想像するだけで涎が流れ出してきました。
この世に鯖を生み出した神様がいるならば、私財を投げ打って感謝……まではしませんが、ちょっと多めにお賽銭を入れるくらいの感謝はしたいところです。
そして、私の今晩のおつまみが決まりました。
もちろん鯖の文化干しです。
書いていて我慢できなくなりました。
今日は残念ながら昼酒ができませんので、夜の鯖文を楽しみに一日を頑張ろうと思います。
美味しいだけでなく、生活の充実感まで与えてくれる鯖、マジ半端ない存在と言えましょう。