zatubunsya’s blog

アラフォーオヤジが何か考えたことを考えたままに書き連ねさせていただいております。

古書店で買った本に著者のサインが入っている時の微妙な嬉しさ

私はブログで何度も書いている通り、古本が大好きです。

古本には、元の持ち主の形跡が残っていることがあります。

書き込みや線を引くマーキングなどが主なものですが、時にはちょっと嬉しい形跡もあります。

 

例えば、その本が発売された当時のチラシなど。

これは持ち主の形跡と言うよりは出版社の形跡ですが、残っていると「大事に扱われていたのかな」という気持ちになります。

 

それから、栞として使われたであろうハガキなど。

いや、どこの誰とも知らない人から知らない人に送られたハガキなんて、持っていても仕方がないのですが……。

なんとなく捨てるのも憚られて、そっと挟まっていた場所に戻すようにしています。

 

当時の新聞に掲載された、その本の書評記事の切り抜き。

これは本当に嬉しいですね。

切り抜きの余白部分に発行日と新聞名が書いてあったりすると、持ち主はキッチリした性格だったんだろうな、とほっこりします。

 

で、本題ですよ。

時々手に入るのが、著者のサイン入りの本です。

サイン本は専門的な古書店だと、ちゃんと「サイン入り」と表記されてちょっとお高くなっていることも多いのですが、BOOKOFFみたいなお店だと、普通に棚に混ざっていることがあります。

 

私は以前、若貴兄弟のお父さんである元大関・初代貴乃花の自伝本を100円で買ったらサインが入っていて狂喜乱舞しました。

 

ただですね、そういうサイン本って、大概サインを書いてもらった人間の名前が「◯◯さんへ」という感じで入っているんですよね。

つまり私は、どこの誰とも知らない人に送られたサイン本を手に入れて喜んでいる、というわけでして。

そう考えると少しばかり微妙な気持ちにもなりますが、こればかりは仕方がないです。

 

私はこの手のサイン本を数十冊所持しております。

別に意識して集めようと思ったわけではありません。

私も古本を買う時に「サイン入りかな?」なんてことは気にしませんので。

買ってから読んでいて「あ、サイン入りだ」と気付くのです。

 

大抵は「◯◯さんへ」の部分は全然知らない人なのですが、作家さんから作家さんへ送られた本もあります。

しかも結構な大物作家さんから大物作家さんへ送られた奴でして。

 

いや、大物作家さんともなると、「献本」という形でサイン入りの本が大量に知人などから送られてくるでしょうから、そういう本が何冊もあっても仕方ないんでしょうけど。

ちょっとニヤニヤしてしまいますね。

 

あと、「◯◯さんへ」の部分は全然知らない人、といういつものパターンかと思っていたら、後書きを読んでいて「ん?」ということもありました。

作者が連載していた雑誌の編集長に感謝の言葉を送っていたのですが、その「◯◯さん」はその編集長の名前だったのです。

そんな本を売ったことがバレたら、作家と編集部の間に亀裂が入るのではないでしょうか。

他人事ながら、心配になります。

 

まあ、「贈られたサイン本を売るなんて!」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、仕方がない一面もあります。

先にもちょっと書きましたが、連日のように大量の本が贈られてくる立場の人もいるわけですし、そういう人は本を処分することも仕方がないでしょう。

あと、本を所持していた人が亡くなってしまって、遺族が古書店に売ってしまう、というパターンもありますね。

 

まあとにかく、そういう本が巡り巡って私の所にやって来て私を楽しませてくれるのですから、面白いものです。

この面白さを知ってしまった以上、なかなか私も古本の世界から抜け出すことができないでしょうねぇ。

 

まあ、これも運命だと思って、心から古本を楽しむことにします。