鯖の文化干し……の「文化」って何だろう、と今更思ったのです
昨日は私の一番好きなお酒のお供、「鯖の文化干し」のことを書きました。
そしてその夜、無事に居酒屋にて鯖の文化干しをつまみに黒ホッピーを楽しむことに成功しました。
美味しかったです。
美味しかったのですが。
「そう言えば、なんで文化干しって言うんだろう」
そんな疑問に突然、気付いてしまいました。
ただ単に干しただけならば、「干物」と呼べばいいわけですし。
わざわざ「文化干し」と呼ぶには、何かわけがあるに違いありません。
というわけで、ちょっと調べてみたところ。
「文化干し」とは、東京の水産加工物会社「東京仙印商店」が、それまで新聞紙などで包んでいた魚の干物を透明のセロファンに包んで売ったことが始まり、だそうです。
セロファンで包んだことにより、見た目が美しくなるという効果があり、その包み方が画期的、文化的だということで「文化干し」になった、と。
ほほう、つまり「文化干し」とは、魚の干物の包み方が語源であって、干し方のことではないんですね。
これは意外でした。
ただ、これは昔の話であり、現在では「天日干し」ではない、冷風機や温風器といった機械を使った干物のことを「文化干し」と呼ぶ、という話もありました、
自然乾燥よりも機械を使った乾燥の方が文化的、ということでしょうか。
うん、まあ、これもこれで納得できます。
さらにさらに調べてみると。
セロファンに魚を包み、吸湿剤の中で乾燥させた方法を文化干しと呼ぶ、という話もありまして。
この方法だと、魚が空気や太陽光に触れることがないので、成分や外観が変質しにくい、という特徴があるそうです。
おお、これは文化的っぽいですね。
結局、何を「文化干し」と呼ぶのかは時代によって変わってくる、ということでしょうか。
うーむ、調べてみたら調べてみたで、よくわからなくなってきてしまいました。
美味しければなんでもいい、という考え方もありますが……。
そもそも、これらの説だとなんで文化干しが「鯖」に限定されているのか、がわかりません。
鯖以外の魚だって、同じような干し方をされているでしょうに。
なぜ、鯖以外の魚は「文化干し」と呼ばれないのでしょうか。
謎を解いてスッキリするつもりが、逆に謎が深まる結果となってしまいました。
まあ、こういうこともありますよね(諦めの境地)。
あ、文化干しについて調べている間に、他にも美味しそうな干物を見つけました。
「灰干し」という手法で、セロファンで包んだ魚を火山灰の中で乾燥熟成させるものです。
15時間程度かけて干物にするため、旨味の元であるアミノ酸がより多く形成され、日光による品質変化も起こらないので風味も保たれる、とのこと。
聞くだけで美味しそうじゃないですか。
こちらは文化干しと違って、鯖以外にも秋刀魚や鯵など、いろいろな種類のものを見かけました。
どれもこれも美味しそうです。
近所の居酒屋では見たことがありませんが、ちょっと調べてみたところ置いてある居酒屋もありそうですので、時間を見つけて行ってみたいと思います。
こうやって「一度は食べてみたいもの」がどんどん増えていくんですよね……。
まあ、食べてみたいものが何もないよりは楽しい人生だ、と思うことにします。