zatubunsya’s blog

アラフォーオヤジが何か考えたことを考えたままに書き連ねさせていただいております。

塩ラーメンという、もっとも気難しい永遠の4番手的存在(※個人の感想です)

ラーメンのスープと言えば、醤油、味噌、豚骨、塩の4種類が代表的かと思います。

しかし、塩ラーメン。

こいつだけは、他の3名に比べて少々マイナーな存在と言えるのではないでしょうか。

 

「〇〇ラーメンと言えば?」と聞かれた時、醤油、味噌、豚骨は比較的簡単に有名な土地が思い浮かぶのですが、塩はパッと思いつきませんでした。

調べてみたところ、函館が塩ラーメン推しだそうです。

「ふーん、そうなんだ」という感想しか出てきませんでした。

いや、食べてみたいとは思いますけどね。

 

そもそも、塩という存在がイメージ的にラーメンスープとして少々想像しにくい部分があると思うんです。

醤油や味噌、豚骨であれば、味のイメージが簡単にできます。

ただ、塩はねぇ……旨味とか味の濃淡とか、そういうこと以前に「しょっぱい」という感想しか出てこないんですよね。

いや、塩ラーメンだってただお湯に塩を溶かしただけでないことはわかっていますし、他の3スープも決してそれだけでスープを構成しているわけではなく、出汁とかそういうもので味が作り上げられていることも承知しているんですよ。

 

でも、いざ「塩ラーメン」と言われて具体的にスープの味の雰囲気を想像できる人、いますか?

醤油、味噌、豚骨は簡単にイメージできるんですが、塩は相当食べ慣れている人でないと難しいのではないでしょうか。

少なくとも私は無理でした。

 

と、なんだか塩ラーメンを散々こき下ろすようなことを書いてきましたが。

実は私、たぶんこの4種のスープの中では、塩が一番好きです。

ただ、食べる機会があまりない、というだけでして。

 

塩ラーメンって、難しいと思うんですよ。

美味しい塩ラーメンを食べようと思ったら、「塩ラーメンに自信あり!」というお店を調べて行かないと、とても微妙な気持ちになること確実です。

美味しいところだと、あっさりしているようで、でもしっかり旨味があって、油の満足感もあって……と、天にも昇るような気持ちが味わえます。

 

さて、話は変わりますが。

私、先日見知らぬ街でお腹を空かせていたんですよ。

見知らぬ街だから、どのお店が美味しいのか、とかいう知識は皆無です。

少々迷っていたのですが、あまりに迷い過ぎるのも男らしくない、もう次に目に入ったお店に入ろう、と決めたのです。

 

そんな感じで、特になにも考えずに入ったのが、一軒のラーメン屋でした。

カウンターが数席、その後ろに4人掛けのテーブルが数脚という、ラーメン屋にありがちな、シンプルなお店です。

ただ、お昼時なのにお客が私以外にいないことだけが気になりましたが。

 

カウンターに座ってメニューを見ます。

醤油、味噌、豚骨、塩……四天王が全員揃っています。

経験上、この四天王が揃っている店、というのは、黄色信号です。

美味しいラーメン屋は、この4種の中から自信のあるものをまず1種に搾り、あくまでもアレンジの範囲で他の味も提供している、という感じです。

四天王が全員どんぐりの背比べ状態のラーメン屋は、「可もなく不可もなく」……どころか、「可がなく不可はある」、な可能性が高い、というのが私の経験則です。

 

特に、こういう店の塩ラーメンは危険。

醤油、味噌、豚骨に比べてごまかしが効かない分、「不可しかない」ことが多いのです。

それはわかっていたのに、ああ、それを十分承知していたのに。

 

私はなぜか、塩ラーメンを頼んでしまったのです。

久しぶりに「塩ラーメン」という単語を見たので、つい魔が差してしまったのです。

 

少し待って運ばれてきた塩ラーメン。

一軒、ただのお湯に麺が浮かんでいるように見えます。

具はネギにメンマにチャーシュー。

 

スープを一口啜った時の私の感想。

「……お湯?」

いや、しょっぱさは確かに感じます。

塩は入っているのでしょう。

しかし、もっとも大事な要素である旨味とか満足感とか、そういったものがまったくないのです。

 

落ち着け、落ち着け私。

そう思いながら麺を啜ります。

ちょっとしょっぱいお湯を纏った細長い小麦粉の塊が口の中に流れ込んできました。

うん、まあ、スープを飲んだ時にこうなることは想像していましたけど。

旨味って大切だな、旨味がないと食べ物ってむしろ憎く感じるものだな、と思いながら真顔でラーメンを啜る私。

 

半分くらい塩ラーメンという名の何かを胃袋に収めた後、私は決意しました。

これはアレンジするしかない、と。

 

まず醤油をスープの中に流し込みます(多分餃子用)。

入れ過ぎは今以上の苦しみが待っているので、少しずつ味を確かめながら。

塩ラーメンに醤油を入れるということは「この塩ラーメンは不味すぎて食えないからこっちで味を足してます」と宣言するようなものですが、店員に気を使っている場合ではありません。

不味すぎて食えないのは事実ですし。

 

バランス良く醤油を足した結果、なんとか食べられるようになりました。

美味いとは言い難いですが、塩ラーメンという名の、ちょっとしょっぱいお湯に麺を入れたものよりははるかにマシです。

そんな私オリジナル、塩醤油ラーメン?を食し、無言でお金を払って無言で店を出た、という思い出です。

 

あ、でもそのお店、チャーシューはメチャクチャ美味しかったんですよ。

なんだかな、塩ラーメンを頼んでしまった私が悪かったのかな……としみじみ思いながら、帰路についたのでした。