台風19号が人工台風という話、そんなことはないと思う
猛威を振るった台風19号、ようやく過ぎ去り、こちらは多少風はあるものの台風一過、という天気でした。
私はすでに日常に戻りつつありますが、各地で水の害が相次いでいる様子。
まだまだ日常に戻った、とは言えない方も多くいらっしゃることと思います。
一日も早くすべての土地が平穏に戻ることを願ってやみません。
そんな中、Twitterを眺めていて時折見られたのが「台風19号は自然災害ではない」という説。
人工的に作られた台風であり、そしてそれを画策したのは安倍首相だ、と。
災害を人工的に起こし、消費税が10%となった事実から国民の目を逸らすための陰謀だ、という話です。
うーん、さすがにそれは論理の飛躍というものだと思うのですがね。
台風によって被害が起これば、日常生活に影響が大きく、経済活動にも悪影響が出ます。
となれば、結局災害によって非難を受けるのは安倍政権であり、むしろ逆効果だと思うのですが。
さらに言えば、台風が来たからと言って消費税が増税されたことから目を逸らすほど、日本国民はバカでもないと思うのです。
確かに台風が来ている瞬間は「増税どころではない」かもしれませんが、過ぎ去ってしまえば日常生活が戻ってくるわけでして。
むしろ、台風で被害を受けたら日常以上に物を買わなければならないということもあるでしょう。
そうすれば、より一層増税の影響を受けるわけでして。
「増税から目を逸らす」どころか、完全に逆効果ではないですか。
人工台風を日本に起こすより、何もしない方がまだマシなのです。
「台風19号が人工台風である」とする人は、その理由として「台風の目が2つある」ことを挙げていました。
「科学的に、そんなことはありえない。だから人工台風である」という理屈です。
Google先生で検索してみたところ、こんな記述がありました。
「19号の最盛期前後の赤外画像を見てみると、元の目を囲むように2つ目の目ができていました」
つまり、通常の台風が一重丸だとすると、19号の目は二重丸状になっていた、ということです。
しかしこの現象は「約二割の台風で見られ」、「強力な台風の場合は、八割で見られる」とも書いてありました。
さて、「科学的にありえない」というのは、どのような根拠で主張されているのでしょうか。
「人工降雨や人工降雪の技術はすでに実用化されている。だから人工台風が実用化されていてもおかしくない」という主張もありました。
確かに、人口降雨や人工降雪はすでに実用化されてはいますが、それは元々降雨や降雪の可能性がある場所、つまり雲などがすでに存在している時に限られます。
そういった雲が存在しなければ、雨や雪を降らせることはできません。
0から1を生み出すような技術ではなく、しかも条件が整っていても100%成功するわけでもないのです。
もし完璧な人工降雨の技術があるのであれば、地球上の砂漠地帯はとっくに緑化されていてもおかしくないでしょう。
そんな技術を持ち出して、「だから人工台風も実用化されている」と言うのはちょっと根拠として弱いのではないか、と。
そもそも、人工台風の技術が実用化されているとして、それを安倍首相一人で使えるわけではないでしょう。
少なくとも数十人、数百人の人間が関わらなければ、台風を人工的に作って、進路までコントロールするなどということはできないはずです。
そんな大人数の口を完璧にふさぐ、などということが可能なのでしょうか。
私は無理だと思うのですが。
少しでもそんな情報が洩れたら、政権崩壊どころの騒ぎではないでしょう。
このように考えてみると、人工台風などデメリットしかありません。
だから私は、この台風は自然災害であり、政府の陰謀などと言うことはバカらしいと思うのですが……。
そんな非現実的なことを言っているより、実際に来ている台風の被害を少しでも防ぐように皆がやれることをやるほうが大事なことではないでしょうか。