映画「くらやみ祭の小川さん」鑑賞記
昨日、ちょっと昼間に時間ができまして。
どうせなら普段あまりしないようなことをしようかと思いました。
しかし夕方過ぎから予定が入っているので、実質使える時間は3時間くらいしかありません。
なんとも中途半端な感じの時間です。
どうするかなー、と考えに考えた結果、思い付きました。
そうだ、映画でも見に行こう、と。
5月くらいにみた「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」以降映画館に足を運んでいませんし、時間的にも映画一本見るくらいがちょうどいいでしょう。
そこで早速、府中市にある「TOHOシネマズ府中」へ。
いや、別にここでなくてもいいんですけど、「ゴジラ」を見たのがここだったので、つい知っているところに来てしまいました。
居酒屋以外は知っているところじゃないと入り辛いんですよね、チキンなので。
で、映画館に着いて「さて、何を見ようかな」と。
とりあえず映画を見よう、と思い付いただけで映画館に来てしまったので、今何を上映しているか、などの知識がまったく準備できていませんでした。
今思えば、電車の中で調べておけばよかったんでしょうが、その時は何も考えず読書していました。
上映開始時間の都合もあるし……と考えてラインナップを眺めたところ、一つのタイトルが目に飛び込んできました。
「くらやみ祭の小川さん」
「くらやみ祭」というのは東京都府中市で毎年5月頭頃に行われている伝統あるお祭りです。
私は人混みが嫌いなので見に行ったことはありませんが。
府中の映画館に来て、府中を題材にした映画に巡り合えたというのも、何かの縁でしょう。
何よりも私は、こういう「あまり他の人が見たり読んだりしない」感じのする映画や本が大好きです。
ヒットした作品は最悪、他の人から感想が聞けますから。
自分の目ではちょっとマイナーな奴を見ておきたいんですよね。
上映直前になって場内に入ったのですが、200人くらいが入りそうな座席が6~7割は埋まっていました。
平日午後ということもあってご老人たちが中心でしたが、それでも大したものです。
きっと府中が舞台の映画だから、皆さん見に来たんでしょうね。
映画自体のストーリーについてはネタバレになるかもしれないんで触れません。
「笑いあり涙ありの感動ストーリー」とでも言っておきましょうか。
あまりにも使い古されている表現で、逆に何も伝わっていない気がする不思議。
主役の小川さん役の六角精児さんが、老年に差し掛かろうとしている中年男の悲哀と奮闘ぶりを表現するのにピッタリの配役でした。
この映画、六角精児ファンは見逃すべきではありませんぜ。
あと、実際の「くらやみ祭」の様子を記録した映像を映画内に取り入れていて、行ったことがない私も「来年はちょっと覗いてみようかな」という気持ちになりました。
府中の観光PR映画としても、よくできていたと思います。
府中市内でロケをしたとのことで、映画内には頻繁に府中市内の風景が登場します。
そのせいか、近くに座っていたお婆ちゃんズが「あら、あそこだわ~」とか囁いているのが微笑ましくて、ちょっとおもしろかったです。
自分が住んでいる市の様子を映画館の大スクリーンで見る機会なんてほとんどないでしょうし、思わず囁きたくなる気持ち、わかります。
これが映画と何の関係もないおしゃべりだったら、絶対に許しませんけど。
難点は、あまりにも内容が府中市用に特化されていて、府中市や「くらやみ祭」を知らない人は、どう考えても見ようとは思わないだろうな、ということでしょうか。
実際、上映館もあまり多くないようですし。
ただの観光PR映画としてではなく、家族の物語としてもよくできていたので、さまざまな人が見る機会が少ないというのはすこしもったいない気もしますが……。
DVD化とかするのかなぁ?
……しかしよく考えてみると、他人事のように思っていた、劇中で小川さんが味わった「中年男性の悲哀」、アラフォーオヤジである私にとっても、そう遠い未来ではないんですよね。
そう考えると、ちょっと恐ろしくなってきました。
気持ちはいつまでも若いつもりなんですけどねぇ……。