電子書籍より紙の本がどうしても好き
「家の中、いたるところに本の山が積み上がっている」
そういう話をすると、必ずのように言われる言葉があります。
「電子書籍にすれば?」
わかってない、わかってないですよ。
そりゃ、電子書籍にすればスペースの問題は解決するでしょう。
でもですね。
家の中にスペースができても、電子書籍では私の「心の中の寂しいスペース」を埋めることはできないのですよ……。
なんか上手いことを言おうとして失敗した感じがします。
ともかくですね、「紙の本が積み上がっている」という、一目で「本がいっぱいある」とわかる状態でないと寂しい、ということです。
例え、何十万冊分ものデータが詰まったデバイスが目の前にあったとしても、どうにも満足はできないのですよ。
見た目でわからないと。
自分の目で直接見たものを見たままの姿で理解したい、というおじいちゃんみたいな考え方ですね。
あと、ただ単に「そんなに大量のデータの入ったデバイスを持ち歩いて、落としたり壊れたりした時のショックが計り知れない」という思いもあります。
「バックアップを取っておけばいい」のかもしれませんが、絶対に私はそんなにこまめにバックアップを取ったりしません。
自信があります。
面倒くさがり屋なので、絶対にやりません。
力強く宣言するなら、もっとマシなことを宣言したいとも思いますが。
その点、紙の本なら滅多な事では失われません。
火事や洪水に遭ったらさすがに無理でしょうが、それはそれ、災害相手ですからまだ「仕方がない」と諦めもつきます。
なんだかんだ言って、データを保管するにはアナログな方法が一番なんですよね。
電子データより紙の本、紙の本より木簡に墨、究極な話をすれば石に直接刻んだ文字がずーっと残るんです。
そんな半永久的に残ってほしい、なんて贅沢は言いませんが、せめて私が息絶えるまでくらいは残っていてほしいんですよね。
それから「読み終わった本なんて保管しておいても読み直さないでしょ?」とかも言われます。
読み直さないんだから、保管しておく必要などないだろう、と。
ところがどっこい、気に入った本はもちろんですが、私は結構な頻度で一度読んだ本を読みなおす人間なんですよね。
いや、逆にこっちが聞きたいんですよ。
「一度読んだだけでその本の中身を全部把握できるんすか?」と。
まあ、私も何度も何度もじっくり読み直すことは少ないですけど。
付箋貼ったところを集中的に読み直したり、パッと流し読みして中身を確認したりとか。
そういうことをするには、パッと手に取ってパラパラ捲れる紙の本の方が便利なわけです。
あと、ちょくちょくお仕事で資料としていろいろな本を使うこともありまして。
そういう時に「確かあの本はこの辺に積んであったはず……」と探しやすいんです。
近いジャンルごとに山が形成されているので、なんとなくイメージで本の場所を把握できているんですよね。
探している最中に「あ、こっちも使えるかな」という本が出てきたりして、便利。
そんなこんなで、電子書籍より紙の本の方が好き、という話でした。
いろいろと理由は書きましたが、やっぱり一番の理由は「紙の本を手で持って、パラパラ捲るのが好き」だからかもしれません。
それがないと、なんか本って味気ないじゃないですか。
感覚としては古いのかもしれませんけど、やっぱりね、そこは譲れないんですよねぇ。