「ノザキのコンビーフ」とアラフォーオヤジの大したことがない思い出
ちょいと前の話ですが、「ノザキのコンビーフ」、あのクルクル回して開ける方式の缶詰が生産終了ということで。
早くも高値で転売されている、という話もありますね。
コンビーフ自体が生産終了するならまだしも、何もあの缶のために高いお金を払う必要はあるのか……とも思いますが、個人的にはちょっと気持ちがわからなくもありません。
楽しいんですよね、あのクルクル回す開缶方式。
面倒くさいですし、プルトップ式の方が簡単で楽なのはわかってはいるのですが。
ちょっとした玩具で遊んでいるような、ワクワク感があります。
正直、あの「クルクル回して開ける」がやりたくてコンビーフを購入していた、という事実もあります。
もちろん、味も嫌いではありません。
あの缶をクルクル、パカッと開けて、そのままかぶりついてビールを飲む、それが貧乏時代のささやかな贅沢でもありました。
いや、コンビーフって超高額とは言いませんが、100円で売られている鯖缶みたいな缶詰から比べればちょっと高いじゃないですか。
しかし、あの形の缶のことを「枕缶」を呼ぶとは、この騒動で初めて知りました。
知った時が別れの時とは、寂しいものですね。
一時はちょっと炒めてみたり、刻んだ玉ねぎとマヨネーズで和えてみたりもしましたが、なんだかんだ言って丸かじりするのが一番美味しかったような気がしています。
コンビーフ自体の味が濃いので、下手に料理してしまうとしょっぱくなりすぎてしまうこともありましたし。
若いうちは一缶開けてもペロリと食べられたものですが、味が濃くて量もそこそこあるので、だんだんと食べきれなくなってしまって。
コンビーフを一缶食べられるか食べられないか、で自分の加齢を感じさせられた、という寂しい思い出ですね。
しかし私、実家ではコンビーフなんて食べたことがなかったんですよ。
両親がコンビーフを買ってきた姿、というのはまったく記憶にありません。
それなのになぜ私がコンビーフ好きになったかと言うと……おそらく漫画『孤独のグルメ』の影響かと思われます。
主人公の井之頭五郎が深夜のコンビニに出掛けて、夜食をいろいろと買うシーン。
あの中にコンビーフが混ざっていたんですよね。
読んだ当時はコンビーフを食べたことがないどころか、存在すらなんとなくしか知らなかったもので。
「なんか聞いたことあるけど、変な形をしているな、でも美味しそうだな」と思った記憶があります。
ここで自分も食べてみたくなって、すぐにコンビニに走った……などということはなく。
結局私が実際にコンビーフを食べたのは、それからしばらく経ってからでした。
こういうところに、私の行動力のなさが表れているわけですな。
初めて食べた時も、別に「めちゃくちゃ美味しい!」などとは思わず。
「こんな感じか」くらいにしか思わなかったのですが、なんとなく気に入ってしまって時々食べるようになった、という次第です。
しかし、本当に大したことがない思い出ですね。
いや、それはブログを書く前からわかっていたことではあるのですが。
大した思い出ではないですが、自分のブログに書き残しておくくらいは構わないでしょう。
アラフォーオヤジの自己満足、という奴です。
そうそう、昨日スーパーに行って、久し振りにコンビーフのことを思い出したので買っておくかな、と思ったのですが……。
残念ながら見事に売り切れておりました。
最後にクルクルしておきたかったかな、とちょっとだけ残念です。
しかし、もし購入できていたとしても「なんとなくもったいなくて開けられない……」と結局持て余すことになってしまったかもしれませんし。
これはきっと「コンビーフとの思い出は、大事に心の中にしまっておきなさい」という神様からのメッセージなのでしょう。
まあ、とか何とか言っておいて、実はまだ残っている在庫がひょっこりと手に入るかもしれませんしね。
その時はその時で、黙ってクルクルを楽しむことにします。